「アムウェイを始めればいいのに。」別れ際に彼女が借金を抱えた僕に言ったこと

別れ話が終わった後、彼女は借金を抱えた僕にこう言った。

「なっつもアムウェイを始めればいいのに。」

約4年前、2017年の出来事だった。

アムウェイを否定することはしなかったが、彼女に誘われても始めかった僕に対しての嫌味にも聞こえた言葉と同時に悔しい気持ちになった。

けれど、借金を抱えた僕には言い返す権利なんてなかった。

「同棲したい」、「あそこ行きたい」、「あれが欲しい」

彼女の思ったことは出来るだけ叶えてきたつもりだった。

その叶え方は「お金が足りない分は、借金をする」というやり方でクレジットカード、消費者金融と手を出していった。

同棲生活をするまでは、普通に自分の給料でどうにか出来ていた。

自分の人生が変わるきっかけは、「同棲生活をしたい」って言った彼女の願いを無理して叶えてしまったことだと思う。

その時の自分は、彼女に嫌われるのが怖くて断ることが出来なかった。

この同棲生活を始めることをきっかけに、消費者金融から初めてお金を借りることになった。初めて借りることを決意するには、かなり時間がかかった。というか、とても怖かった。この時はまだそんな風に思うことができていた。

だから、「消費者金融から借りるのは、この30万円だけ。」そう決め込んでいた。

しかし、同棲生活を始めるということはそんなに甘くなかった。

始める段階であっという間に30万円が無くなり、予算が足りなくなった。足りなくなった分は自分の給料から出してなんとかすることが出来た。

けれど、現実はそんなに甘くなかった。

家賃、光熱費、食費、外出費、生活をしてみて改めて必要になったもの。

想像よりも出費がかなり多かった。それに加えて同棲生活を始めた時の借金返済もあったこともあり、少しでも彼女と外出したり、自宅の物を購入するとなっつの家計簿は赤になった。

そうすると、生活が出来なくなるのでクレジットカードに頼ったり、別の消費者金融を頼るようになった。このころには、「借金をしたとしても、いつか返済すればいいや」

と思うようになっていた。

さらに、彼女がアムウェイを始めたことで月に多額のお金が無くなることになった。

このことが、なっつの借金生活に拍車をかけるきっかけになり、ついに仕事中に体を壊して一時退職をすることになった。貯金もなければ、仕事もない、そんな中で「アムウェイで浄水器を買いたい」と言い出されたが、そんな余裕がないので必死になって止めた。

そして、数か月後に借金を抱えていることを彼女が知って別れることになった。

その際、「アムウェイを始めていればよかったのに。」「アムウェイを始めればいいのに」と吐き捨てられてなっつの同棲生活ただの無職ニート借金生活を送ることになった。

今でも借金をすべて返済することは出来ていない、ただ同棲生活をしていた時に彼女とアムウェイを始めていたらどうなっていたのだろうか?

考えただけでも恐ろしいのだけれど、4年経った今でも「アムウェイを始めればいいのに。」と言われたことに対して、はっきりと言い返せる結果を持っていないということに悔しさを感じる部分は少なからずともある。

あの時に言われた言葉に、自信を持って言葉を返せる何かを持ちたいと今でも思っている。